カテゴリ:クライミング( 18 )

幽ノ沢V字状岩壁右ルート
山域:谷川岳
メンバー:I見、他2

土合駅0515 幽ノ沢出合0622 カールボーデン0825 中央壁右フェース取り付き(退却決定)1100 幽ノ沢出合1437 土合1530

新潟・福島で記録的豪雨が発生している中、谷川岳に行ってみました。こんな天気の中
、目標は幽ノ沢V字状岩壁右ルートです。

当日、予想に反して雨は降っておらず、「まぁカールボーデンまでなら行けるんじゃね?」ということでマチガ沢、一ノ倉沢を越えて幽ノ沢へ。

「マチガ沢、一ノ倉沢と比較して、この沢は登山者の訪れない、登山者に嫌われた沢だった。(新田次郎 谷川岳幽ノ沢【短編】)」

と読んだことがありましたが、それほど未開の地のような感じはしませんでした。沢を登り(結構楽しい)、カールボーデンに到着。ココ最近の猛暑と大雨で雪渓はほとんど残っていませんでした。
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カールボーデン

で、ここから肝心の岩登りなのですが、中央壁右フェース取り付きまで行って雨は降るは、増水してフェースが滝になってるはで、引き返してきました。

いやぁしかも取り付きまで2時間もかかってしまいましたからねぇ。ルートの取り付きまでにもこんなに岩登りをしなければならないとは思いもしませんでした

だいたい150mくらいでしょうか。まぁ怖くてロープを出しちゃったわけですが、どうやらココは

簡単なセクションはロープを出さずに登れて当然

ということのようなのです。どうりで残置支点が全く無いわけですね

いやぁ勉強になりました

やっぱり九州のクライミングとは考え方、開拓の想像力が違うんだと痛感しました。

そして失意のまま下山。不完全燃焼でした。

久しぶりの失敗

ま、雨でしたからね

付き合ってくださったお二人には申し訳なかったです

I見
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左に半分見えているのが中央壁、右のトンガリが前衛壁、真ん中のとんがりと前衛壁の間にあるのがV字状岩壁

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失意の懸垂下降
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期間:2011年7月15日~7月18日
山域:上信越
メンバー:H、A、I見
7月15日
 久喜駅に集合。が、移動中に電車が止まる。おいおい地震じゃねーか!幸いにも震源地は今回向かう長野県栄村ではないらしい。一安心か。栄村も3月に地震があったらしいので不安だったのだ。
 車で栄村まで向かう。117号線を栄村付近まで行くと通行止めになっていたのでまたまた焦ったが、栄村に入らず直接五宝木に入る道を見つけ、そちらからアプローチした(405号線からかな?運転してないのでよく分からんです)。明日はこの五宝木橋付近から入渓の予定だ。

7月16日
五宝木橋0730―二俣0745―勘五郎滝0955-勘五郎滝落口1100-ヒロゼの滝1311-二股1340-幕営1400
 予定通り橋付近の踏み跡から入る。しばらくは大きな河原を歩き、10分ほどで観音沢(の下流部分なので正確には朝日沢)とエビリュウ沢(同様に高山沢)の二俣となる。河原を歩き続けると次第に沢が狭まり、ゴルジュとなってくる。Hさん曰く、火山性の岩らしく、両岸泥壁のようなのにもげそうな岩がもげない、硬い。最初の滝2条4mは左から巻く。ロープが垂れてきていた。ここから15分ほど先、右に流れが曲がったところに堰堤がある。これは右にトラロープあぶみが垂れている。バランスが悪い上に切れそうで怖かった。両岸から沢が8mほどの滝となって出合う十字峡を過ぎる。ゴルジュはどんどんスケールが大きくなる。水量はそんなに多くないので水に浸ってもいけるのだが、濡れたくないとばかりにヘつりまくる。
 へつりを楽しんでいると視界が開けてきて、勘五郎の滝とご対面。50mを一気に流下する様は圧巻だった。いつものように登攀ラインを見出そうとするが、うーん登るなら流芯右だろうか、凹角にみえるところにナチュプロが決まったとしてもそれより上部はボルト連打になってしまいそうだ。そんな妄想もしつつ、5分ほど来た道を戻り左岸より巻きに入る。50mほどずっと急な上、下部は木が少ないので手こずる。この巻きに1時間ほどかかった。
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勘五郎の滝


 勘五郎落口で休憩下流の景色は最高だ。ここから高山沢は右にオゼノ沢、左にエビリュウ沢に分かれる。ここでI見が間違えてオゼノ沢に入り、放っていかれそうになったのは秘密(止めてくれよヽ(`Д´)ノ)。
 少し進んだところから連ばく帯となる。最初の6m2条滝は流れの間を登る。ロープを出したがそんなに難しくない。ガバ多し。この後も小滝が続く。左岸より支流が出合う1310m付近から雪渓が出現。AさんとI見にとっては沢登り中に雪渓に出会うのは初めてである。こんな風にスノーブリッジの下から白く冷気が出ているものなのか。沢登り中の雪渓と言えばスノーブリッジの下を怖々くぐるイメージだったが、左岸のボロ崖とトラバースして越える。このあたりでまた二俣となり、左はまだまだ大きな雪渓が続くが、右へ進む。右は5段くらいの滝が続く。1段目はフリーで、2・3段目は左岸から巻き、4段フリー、5段目はHさんだけフリー。「うん?悪・・・い・・・ふんっ悪いなぁ~(H)」と登ってしまったHさんにザイルを出してもらい、残りの二人も登った。
 ここからヒロゼの滝はすぐそこである。150mという高度をなだらかに流れてきている。傾斜は平均で45度といった感じだろうか。流芯左を乾いた岩中心に登っていく。なんだこれは!楽しすぎる!硬く白い岩が階段状になっており、もう・・・ワシワシガシガシ登れる。ロープも出さず、どこまでも登れてしまう感覚はクライマーとして最高のものだ!・・・と75mくらいまでは思っていたのだが、あまりにも快適なのでスピードが出すぎて、早くも疲れてくる。3人とも「サイコー、楽しぃー」とは言っているのだが、明らかにトーンが下がる。「あれぇまだ?」が「まだかよ!」に代わるころに150mのフリーソロ?が終わる。落口は小さな淵となっており、まるでお風呂のようであった。
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ヒロゼの滝

ここから流れは左に曲がり、庭園のような狭く小さな景色となる。勘五郎やヒロゼの滝とはまったく正反対の景色で、疲れをいやしてくれる。しばらくすると二股となり右へ進むのだが、良いテン場がないのでそれより下流で幕営となった。
この日の焚き火は、湿った木で多少苦労した。I見のウィスキーボトルは火に当たったせいで穴があいてしまった。当然酒も減った。ショック。

7月17日
起床0430-発0630-ヤブコギ開始0730-鳥甲山1000―観音滝1310―幕営1445
 朝から焚き火。この日も晴天。「トリカブトにアガサ・クリスティン(上がろう)!」と今日も陽気だ。いよいよ源頭部なので水量も少なくなり、尾根が見えてくる。ルートファインディングも難しくなってくる。東側の登山道が走っている尾根に上がりたい。ここだとばかりに尾根に上がってみたが、登山道が見当たらない。うーん、やっぱりマイナーな山は登山道もなくなってしまうものなのだろうか?とヤブコギを続ける。お、なんだか踏みあとっぽいのが出てきたと思ったら、右手に赤ザレが見える。んー、トリカブト山北尾根の右手にも赤ザレがあるようだが、この尾根の右手も崩壊してしまったのだろうか、地震のせいだろうか?
まさか登山道のない北尾根に上がったわけないよな?
 そんなことが頭をよぎった。が・・・そのまさかだった。なんと北尾根から東に伸びる支尾根に入ってしまったのだ。これによって500m以上密笹をヤブコギすることになる。笹がこちらに向かって生えている上、踏むと滑る。時に中途半端に折れた笹が腹に当たって「ウッ」となり、進行を妨害してくる。Hさんがほとんど喋らなくなる。クライマックスは急傾斜の笹帯となり、頂上へ直接抜ける。ぐったり。頂上はトンボが多く、うれしいことにブヨがほとんどいない。登山道は当然ちゃんとあった。
 大休止の後、また来た道を下り返す。赤ザレを避けて北尾根のコルから下るためだ。下りのヤブコギは登りに比べると比較的楽だった。ここから30mほど赤ザレを怖々下ると本流に入れる。本流は両門のようになっており、すごい光景だった。そしてまた雪渓が出てくる。一部くぐることもあった。500m以上続いていただろう。この雪渓が終わり、広い河原になると穏やかな軽装となり、下流までこれが続く。途中には観音滝8+40mが出てくるので左岸から懸垂。50mロープならぎりぎり1回だろうか。
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雪渓地帯

 下りきったところで幕営。途中、ぱらぱら雨が降ってきたが、屋根付き焚き火で凌いだ。良い薪が多く、よく燃えた。
7月18日
起床0520-発0730-五宝木橋1105
 夜、ヌカカに襲われた。こんなのは南九州にいなかった気がする。今日は瓦を下るだけ。滝から滑り落ちてみたり、ゴルジュを水につかりながら突破したり面白い。最後に15mほどの滝を右岸から懸垂で巻けばもう五宝木橋である。充実していた。
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下流ゴルジュ

 帰りは清津温泉300円にはいった。
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期間:2011年7月9日~7月10日
山域:奥秩父
メンバー:I見
7月9日
東沢渓谷出合1030 (本当の)入渓1145 乙女滝1211 東のナメ滝1232 西のナメ滝1248 魚止めの滝1312 両門の滝1403 ビバーク1455
 西沢渓谷七つ釜五段の滝より転戦。東沢を登る。Aさんと別れ、鶏冠山登山道から入渓。登山道が時々河原に入り込んでいるのでどこが登山道なのか分からん。途中7mほどの滝がある。「これがほら貝のゴルジュ?」と勘違いしてしまい、次の通常巻いていく淵を1箇所泳いでしまった。うひー、若干溺れそうになってなかなか怖かった。この辺で何かおかしいことに気付き、右側の登山道に逃げる。しばらく歩くと左岸から急な支流が出合い、本当のほら貝のゴルジュ前に着く。おぉ、確かにコレを一人で行くのは怖そうだ。
ここから乙女の滝、東のナメ滝、西のナメ滝と支流の大きな滝が出てくる。いつか登りたいものだ。右俣釜の沢に入ってからは魚止めの滝、両門の滝と大きな滝が出てくるが、ほとんど巻いてしまうのでなんだか面白くない。二人いたら直登したかった。このあとの滝一つを巻いたところで雨がシトシト降ってきて、気分が乗ってこなくなったのでビバークとした。広河原に入ったばかりのところらへんだろうか。他PTは後から来たが、どんどん先へ行ってしまった。うーん、先に行ったほうがよかっただろうか。ま、いいや。湿った木で焚き火ができて満足。
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東のナメ沢

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千畳のナメ

7月10日
発0800 二俣0902 (小屋方向と頂上方向への)二俣0923 甲武信岳1104 三宝山・山宝岩往復1230 戸渡尾根 近丸新道(ヌク沢方向) 登山口1539
 朝は焚き火が上手くできず、残念。出発も遅くなった。倒木の多い広河原を進む。連なった大滝を下部直登&上部左から巻き気味に登ると二俣に出る。どっちかが木賊沢というらしいがどっちやら、よく知らない。右股へ進む。左岸には元登山道と思われる看板がある。すぐ先で沢はまた二俣となり、左俣の頂上直下へ向かう沢へと進む。傾斜が強く、ほとんど滝ばかりだ。上流付近はさらに傾斜が強くなってきたので右岸を巻いた。多少は人が通っているようだった。沢に戻るとその先に大ガレの左俣と右俣に分かれる。本当は頂上近くへ出る右へ進もうと思っていたが、左のほうに岩峰らしきものが見えたのでそちらに進むことにする。見た目どおりガレが激しく、大変苦しい登りとなる。岩峰だと思っていたものは岩壁だったのだが、なかなか立派じゃないか。登ったら面白そうだった。ここからすぐに登山道があり、右に5分も進むと甲武信岳に出る。登山者でいっぱい。西俣から来たという人もいた。

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頂上付近へ抜ける支沢

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最後の大崩壊ツメ

 ここから下りようとも思ったが、せっかくなので三宝山・山宝岩も往復してみた。山宝岩も岩登りの対象として面白そうだ(短い、2Pかな?)。ここから小屋、木賊山を経て、ヌク沢経由(近丸新道)で下った。怒涛の下りで足首、膝がボロボロになってしまった。
帰りはバスが無く、知り合ったおじさんに送ってもらった。どうもありがとうございました。
いい練習になった。
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6月18日
入渓9:59~魚止めの滝12:24~地蔵の滝13:07~小屋跡(出渓)14:38~入渓地点(倉沢橋)15:40
メンバー:I見、他4人

久しぶりに沢登りに行ってきました

雨が今にも降りそうな中、なんとか降雨前に下山できました(というか稜線まで上がるのを諦めたんですけどね)

結構腰までつかることもありますが、へつって泳がずに済ませることも出来ます。右岸に林道や作業道が続いているのでエスケープも楽です
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簡単そうなところもあれば・・・

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わ・・・悪いです。残置スリングを掴んで登ります

一年以上ぶりの沢登りにしてはなかなか満足できました

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きのこも発見

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クロイロコウガイビルでしょうか?
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ミズガキ天鳥岩(敗退なりクゥー)関東の花崗岩に見参!
久しぶりにグランドフォールしました。ハハハ・・・背中に枝が刺さったしw

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悔しいのでミズガキ山を東尾根から登ったら、猛烈ヤブコギでぐったりでした。今までで一番苦しいヤブコギでした

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こちらは一昨日の天王岩。初チャート。チャートって水分を含みやすいのね。湿度・温度・日照によって岩質が変わるような気がします

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こちらは昨日の日和田山。写真は男岩西面。こちらもチャートですが、石英が多く混じっているような感じです(見た目で、たぶん)
フリークライミング発祥の地、クライマーの息吹を感じました。名物「左ルート」おいしくいただきました。こんなルートをあの時代に登るなんて、発想・技術に脱帽でした
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期間:2011年4月30日~5月4日(GW)
山域:北アルプス
クライマー:W、T、O、I見(記録)
東京都山岳連盟所属の「山登魂山岳会」の方々と上りました。本当に感謝です。この記録はその山岳会のHPにもほとんど同じものが掲載されていますが、僕が書いたものなのでココに掲載しても大丈夫だと思います。


 硫黄尾根は槍ヶ岳西鎌尾根の途中から北へ分岐している長い尾根だ。有名でよく登られている「黒くてかっこいい」北鎌尾根に比べると、硫黄尾根は岩質が「脆く」「地味で黄色い」尾根だった。そんなことを言うとまるで「不健康なウ○チ」みたいだが、そんな素晴らしい尾根から槍ヶ岳に立つことが出来た(確かに歩いている途中で臭う、硫黄で)。当初は槍ヶ岳登頂後、千丈沢乗越から千丈沢~水俣川を下降し、七倉山荘まで戻ってくる予定だったが、事情により新穂高温泉へと下った。

4月29日
西国分寺駅20:00~中央道~信濃大町~七倉山荘2;00
 駅に集合するが、Wさんのブーツが無くなる。家か下手したら山手線かも、と最初から山行自体が危ぶまれるが、高尾駅で発見されたとのこと。よかったよかった。多少時間が遅れたが、Tさんの車で七倉山荘まで向かった。I見の運転が危うかった。

4月30日
起床5:00~ゲートOPEN6:30~林道終了7:45~水俣湯俣出合9:30~硫黄尾根取付10:24~2031m付近(たぶん)14:00
 曇り。登山届を出して、予約していたタクシーで高瀬ダムに向かう。登山センターで流れているニュースによると白馬岳大雪渓で雪崩が起きて死人が出たそうだ。
 高瀬ダムには80Lガッシャーを持ってきている大学山岳部らしき三人組がいた。北鎌を登るそうな。辛そうだった。高瀬ダムに溜まった緑色の水を見ながら林道を歩く。長いトンネルを抜けると、芽吹いたばかりのフキノトウが生えていたりする。林道はダムまでで途切れ、それからは登山道を進んだ。時に雨が降ってきてうんざりする。今日は晴れじゃなかったのか。雨は明日からだったはずじゃないか。そういえば硫黄尾根から敗退してきた1パーティとすれ違ったが、天候悪化が原因だろうか?
湯俣山荘手前では間違って吊り橋をわたってしまうが、本来はカラ沢を越え、水俣川に掛かる吊り橋を渡るだけでよかった。その吊り橋の後危ないフィックスがある。だがそこへ取り付こうとしていたWさんから「アーッ!!!」という声が聞こえる。お、落ちた!?いやWさんのザックの雨蓋から物が落ちて流されていく。ありえーん!運良くテルモスは救出したが、行動食とヘッドランプを紛失したらしい。またしても山行自体が危ぶまれる。しかしまぁ何とかなるだろうと進むことになった。
 300mほど進むと赤と青の紐が垂れ下がっているのでそこから尾根に取り付く。針葉樹林帯の尾根上まで笹のブッシュを漕ぐ。ここからやっと雪が積もってくる。尾根は結構細めからだんだん広くなった。
気分良く登っていたが、何だか空がゴロゴロ鳴っている気がする。飛行機だろうか?いややっぱり雷だ!
「ヤバそうだから良さそうなテン場があったらすぐテントを張ろう。」
「あ、あった!早く踏み固めろぉ~。」
「ギャー降ってきた。ぎゃーぎゃー、早く入れぇ。」
「ドドーン!(雷)ザー!(雨)」
・・・こんな感じだった。この後も激しい雷雨が続いた。高度計を持参していなかったが、Tさんの希望的観測によるとジャンダルムⅠ峰直下、すぐそこらしい。
 この日の夕食はもちろん持ち寄り鍋だった。I見はひよこ豆の缶詰を持ってきた。この缶はWさん専用の「ション缶」として役立つのだった。ところで場の空気を読んで言わなかったのだが、このひよこ豆(ガルバンソービーンズ)で頑張るぞーという意味も込めていたのだったが。ま、いいか。

5月1日
 雨が降り続いていたので沈殿。時々晴れ間を突いて用を足すといった具合だった。

5月2日
起床3:00~発5:04~Ⅳ峰付近7:09~小次郎のコル8:10~硫黄岳11:00~雷鳥ルンゼ13:11~硫黄岳南峰14:00~2370m稜線上?17:00
 晴れ。樹林帯を少し進むと、樹林が西斜面のみに生えてくるようになり、硫黄岳ジャンダルム群となる。合計6峰あるらしい。Ⅰ・Ⅱ峰の岩を越え、Ⅲ峰から千丈沢側に2回25m懸垂下降する。そこから雪面をコルまで登って、Ⅳ峰岩峰を巻く。ここでひとまず休憩。小次郎のコルから硫黄岳までの長い登り返しが目に入る。Ⅴ・Ⅵ峰と高度を稼ぐが、小次郎のコルまで下る。このコルは確かにいいテン場になるだろう。
 硫黄岳までは細い雪稜、嫌な岩場を登り、千丈沢側へ伸びている尾根へ交わってから右へ曲がる。しばしば雪が腐ってきてズボるので体力を消耗する。右手の大きな雪庇に気をつけつつ登ると平らな硫黄岳だった。しばらく余韻に浸る。ずっと登りだったのでクタクタだった。
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 だだっ広い硫黄大地をズボりながら進み、2511mピーク(硫黄岳南峰ではない)の少し先から湯俣側ぎみに伸びた雷鳥ルンゼを2回25m懸垂で下る。硫黄岳南峰2459mまで登ると、ニョキニョキといくらあるのか分からない赤岳ジャンダルム群そして顕著なU字型の中山沢のコルが見えてくる。今日はその中山沢のコルで泊まる予定らしい。遠くないか?
 この辺りから岩質が脆くなってくる。時間が迫っていることもあり、気も滅入ってきた。南峰から湯俣側の雪面・岩をクライムダウンすると、左手にいいテン場になりそうなところが出てくる。「ここで泊まりたい人がいたら泊まるけど?」と聞かれるが、誰も泊まりたいと言い出さない。変なプライドのせいで自分から言い出せず、「誰か泊まりたいと言ってくれぇ」と念波を送るが不発に終わる。先に進むということになって、(念波のせいか)疲れた。
いくらでも出てくる岩峰は右から巻いたり、直登したり、その場で判断する。時に出てくる雪面のトラバースは楽しい。次に大きめ岩峰が出てくるのでロープを出す。Oさんがトップで登ってくれた。ラッキー。そこから2回25m懸垂し、地形図上の赤岳を含めた2つピークを残して、2370mほどの稜線上に幕営。槍ヶ岳のアーベンロートは絶景だった。
WさんとI見は大量にお茶を飲むが、小便が出ない。どうやら軽く脱水症状が出ていたようだ。反省。
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5月3日
起床3:00~発5:05~中山沢のコル6:20~白樺平8:00~西鎌尾根9:39~11:38千丈沢乗越
 晴れ。雪稜から抱えた岩ごと落ちそうな岩稜を登っていつのまにか地形図上の赤岳を越え、その先のコルから雪面を25m懸垂すると中山沢のコルだ。ここはクライムダウン出来たのかもしれない。絶好の幕営地だろう。ここから先が赤岳主峰群らしい。傾斜があって難しそうなⅠ峰だったが、登ってみると上手い具合に雪がついていて登ることができた。Ⅱ・Ⅲ峰も難しいらしいが、ほとんど雪面登りだったので赤岳ジャンダルム群の岩稜より安心して登れた。
 Ⅳ峰からは楽しい雪稜となり、しばらくすると白樺平に到着する。白樺はほとんど生えておらず、真っ白、まっ平ら。ここから200mほど登ると西鎌尾根に出合う。硫黄尾根完登できた!
 ここからは千丈沢方向に張り出した雪庇に気を付けつつ、千丈沢乗越に向かうだけだった。乗越でこの日に槍ヶ岳を獲るべきか迷ったが、明日晴れるとの予報だったので、無理せず、明日登頂することになった。また明日のうちに下山する予定であったので、飛騨沢から新穂高温泉に下山することも決まった。14時半ほどからはみぞれ交じりの雪となった。
5月4日
起床3:00~発4:58~肩の小屋5:45~槍ヶ岳6:20~肩の小屋6:50~千丈沢乗越7:54~槍平9:37~新穂高温泉13:20~池袋2:00
 曇り。あれ?天気予報では晴れと言っていたが、かんばしくない。登るにつれ晴れてくるのだろうと判断し、出発する。Tさんは以前登ったこともあり、首の方が心配なこともあり、今回はテントキーパーをしていただいた。千丈沢乗越から尾根伝いに西鎌尾根を登り、大岩を右から巻き、肩の小屋に到着する。しかしながら天候は良くならない、そして寒い。かろうじて槍の穂先が見えるかどうかといったところだ。まぁ登れるだろうということで進む。鎖も出てくるが、途中から雪や氷に埋まってしまっていたので、ダブルアックスで梯子まで登った。鎖が無くなって怖かったが、付いていくほかなかった。梯子を登ると念願の槍ヶ岳頂上だった。頂上ではほんのひと時だけ晴れた。初めての槍ヶ岳をこんな形で登るとは思いもしなかった。
 槍の下りはもっと大変だった。2回25m懸垂とクライムダウンでおりるが、やはり鎖がないと怖い。小屋からさっさテントに下ると8時ごろと予定より早かった。早すぎてTさんはあまり十分に寝られなかったようだ。
槍の頂上だけはガスを残し、晴れてきた。飛騨沢でシリセードを交えつつ下る。I見は一回マジ滑落をして激しく滑り落ちていった。楽しかった。槍平以降、飛騨沢では滝谷観光をしながら何も考えずに下りてしまい、Tさん以外の3人はルートを外れ、白出沢を林道まで登り返す羽目になってしまった。Tさんを新穂高温泉で待たせることになってしまった。反省。
 帰りは七倉山荘まで車を取りに戻り(その時のタクシーのおっちゃんがえらく物知りだった。話は面白かったが、時速30㎞とか…もうちょっと早く走ってほしかった。)、高瀬館で温泉(700円)に入って帰路についた。
大変疲れたが、充実したルートから槍をゲットすることが出来た。
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東京の山岳会の方とこんな岩を登りました

高さ200mぐらいでしょうか
ボロボロのホールドしかなく、まともな支点が少ない岩(いや崖か)でした
まったく、パートナーごと落ちるんじゃないかと思わされました
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みらい乗船前の記録です。ちゃんと書いておいたんですよ!

阿蘇高岳の北面には日が照りにくく、1月頃から滝が凍り、アイスクライミングを辛うじて行うことが出来る。今年は九州にも連続的に寒波が到来したので、「かなりいい感じに凍っているのでは?」と思い、T崎を誘い、2回目のアイスクライミングながら挑戦してみることにした。
期間:2011年1月28日~29日
山域:阿蘇
クライマー:I見、T崎
1月28日
 卒論発表を終え、高速バスで熊本交通センターへ、そこから徒歩で熊本駅へ移動。駅近くの熊本ラーメン「黒龍紅」で舌鼓を打つ。
1月29日
宮地駅7:59~仙酔峡8:35~関門9:00~赤谷終了10:46~ダイレクト尾根の頭12:39~高岳14:49~仙酔峡15:55
宮地駅へ移動し、タクシーで仙酔峡へ。以前はここから赤ガレ谷関門まで1時間25分も掛かったが、今回は25分で着く。そこから近道かな?と鷲ヶ峰方向へ迷い込むが、気づいて戻り、赤ガレ谷の支谷、赤谷のアイスを登攀した。氷瀑はあまり発達しておらず、一番上流の2段大滝5mも氷が薄かった。登り終えたところで休憩。ガスが立ち込め、雪がチラつく。視界は30mといったところであった。
ダイレクト尾根の登攀にかかる。まず赤谷の左の境界尾根のコルへ向かう。ガスが濃いので先頭PTは迷っていたが、我々は正解のコルに辿り着く。踏み跡が無いこともない。境界尾根を含めた支尾根を3本越え、4本目の支尾根にちょっとしたお墓みたいな岩が乗っているのが見える。その尾根に上がり、M野先生が言う直径2mほどの「クレヨンしんちゃん岩」を左に3本目と4本目の尾根の間のルンゼを登り、さらに3.5本目の(?)尾根を右へ越え、またルンゼを詰めるとダイレクト尾根の頭である。出発が遅かった割には13時までに着いてしまった。
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ここから2つの岩場を越え、3つ目の岩場を越えると主稜線上である。2つ目の岩場がボルダリングチックで力が要るが、どれも難しくない。
しばらく休憩し、高岳東峰・西峰を往復し、仙酔尾根から下った。積雪が多くて、下りやすかった。熊本の米焼酎「白岳」で晩酌をして寝た。
1月30日
仙酔峡7:34~虎尾根上1050m9:04~松ヶ尾谷着850m10:46~大滝の上の二股16:00~第1キレット18:55~赤ガレ谷関門20:20~仙酔峡21:13
 昨日の大成功から完全に舐めきっていたので、出発が遅くなる。仙酔峡から赤ガレ谷方向へ向かい、作業用林道を30mほど下り、赤ガレ谷に出合う。そこから目の前の支谷を登って、虎尾根に出る。結構雪が深く、カッチカチに凍っている部分もあり、苦戦した。晴れて目の前の虎ヶ峰が雄雄しく見えた。
 さらに東へ歩き、なだらかな谷を1つ越え、「九州の沢と源流」に記載されている通りに急な沢を下る。これを下りきるとあっという間に松ヶ尾谷に出合う・・・はずであったが、誰も通っておらず、藪が鬱蒼としていた。それから本の通り、最後の松ヶ尾谷に出合う手前で左の尾根に上がったが、崖で降りられない。クソッ!
 さらに左の尾根も越えたところの比較的緩やかなルンゼから、やっと求めていた谷に下り立つ。出発から3時間以上かかった。やっぱりアプローチが最も大変だと再確認した。
 松ヶ尾谷を進む。10分くらいで側壁80mぐらいのゴルジュに入る。入口の10mほどの緩い傾斜の滝を登る。赤谷に比べ、氷瀑がかなり発達していたのだが、足元の氷はまだまだで、時に水の中にハマってしまい、ブーツが凍ってしまうこともあった。10m滝の次は10mガレ滝がある。この滝は例外なのか、あまり氷が発達しておらず、グスグスだったり、薄い部分もあった。これがいわゆるベルグラというやつなのだろうか?傾斜が緩かったことと辛うじてアイススクリューが効いたことにより、何とか登った。次の6m滝は簡単。落ち口の右にある大きな岩が邪魔で左から巻いて登った。ゴルジュを抜ける。
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 しばらく開けた谷を進む。大きな滝を1つ超えると、20mCS滝が現れる。氷瀑がかなり発達しており、かなり硬そうだ。水が氷瀑上を流れているので、さらに発達するであろう。ここはスクリュー2本で何とか突破した。
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2本しかスクリューを手に入れられなかったので、結構ランナウトして危険だった。さらにちょっと歩くと、「大滝」と呼ばれている10m滝が現れる。右手には第1キレットから伸びてきた谷が出会うのだが、「大滝を越えてからその谷に戻って帰ろうか」とT崎と相談した。大滝自体は今までの滝と違い、傾斜が90度近くあり、かなり難しかった。つーか、登りだしてから「あ、これバーチーやん!」と気付くぐらい初心者なのだ。落ちるかと思った。
 大滝を越え、右の谷へどうにか行けないかと探していると、さらに先に二股が出てきた。「あれ?右股のこれが第一キレットへの谷?」と勘違いし、その谷を詰めてしまう。しばらく深い雪をラッセルして進むと、ドーム状の岸壁に阻まれた。しかたないので左の尾根に上がり、さらに上へ行く。結構難しく危険。この尾根を完全に上まで登り、鷲ヶ峰のジャンダルムにぶち当たったところで右へと歩き、第一キレットへ黙々と歩く。ひどいヤブコギであった。そのうち日も落ち、真っ暗になった。大きな谷を1つ越えた先の小さな谷を詰めると第一キレットに到着。歓喜。
 そこから関門まで下る。時々緩い岩壁が現れ、クライムダウンに苦労する。帰りたい。何とか難所を下り、昨日間違えて登ってしまった鷲ヶ峰への道を下ると関門に出合った。ここから仙酔峡までも長かった。充実。

・九州自然歩道から入るべきであった。我々のアプローチはマイナーなのであろう。たぶん2時間ぐらい短縮できるんではなかろうか。
・ネットで他の記録を見るかぎり、俺らは最後にガリーⅥをつめて、第二キレットへのルンゼを越えて、当初予定していたルンゼに合流し、第1キレットにたどり着いたのだろう。
・夜中に下山を強行したが、まぁあんまりしないほうがいいだろう。ズルっと落ちたら結構な怪我になっていた。
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